📖 はるの看護ノート

私が看護師として勤務していた中で、整形外科での勤務が一番長かったです。

整形外科というと、「骨折やケガ」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

私が勤務していた病棟でも、転倒などをきっかけに骨折して入院する患者さんが多くいました。

骨折の種類はさまざまで、治療方法や手術の内容、術後の看護も骨折した部位によって異なります。

この記事では、骨折の基本的な知識や種類、治療方法についてまとめたうえで、私が整形外科病棟で経験した骨折患者さんの入院から退院までの流れや、超音波骨折治療について紹介します。

看護師・看護学生の方が、骨折について復習するときの参考になればと思います。

骨折とは?

骨折とは、外力などによって骨の構造が壊れた状態のことです。

「骨が完全に折れたもの」というイメージがあるかもしれませんが、ひびが入った状態も骨折に含まれます。

日本整形外科学会でも、骨の一部が欠けたり、へこんだりした場合や、ひびも骨折として説明されています。(joa.or.jp)

骨折には、骨の連続性が完全に断たれたものだけでなく、一部がつながったままの不全骨折などもあります。

完全骨折

骨の連続性が完全に断たれた状態を、完全骨折といいます。

不全骨折

骨の連続性が部分的に断たれた状態を、不全骨折といいます。

いわゆる「ひび」も骨折の一種です。(joa.or.jp)

また、骨折には外力によって生じるものだけではなく、骨が弱くなっていることで比較的小さな力でも起こる病的骨折や、同じ場所に繰り返し負荷がかかることで生じる疲労骨折などもあります。(joa.or.jp)

骨折の主な種類

骨折は、体のさまざまな場所で起こります。

整形外科病棟では、患者さんの年齢や受傷原因などによって、さまざまな部位の骨折を経験しました。

代表的なものには、以下のような骨折があります。

  • 大腿骨頸部骨折
  • 大腿骨転子部骨折
  • 大腿骨骨幹部骨折
  • 骨盤骨折
  • 踵骨骨折
  • 足関節骨折
  • 膝蓋骨骨折
  • 上腕骨骨折
  • 橈骨遠位端骨折
  • 肘頭骨折

ほかにも骨折の種類はたくさんあります。

私が勤務していた病棟では、特に大腿骨頸部骨折・大腿骨転子部骨折・橈骨遠位端骨折の患者さんを受け持つことが多かったです。

骨折の主な症状

骨折すると、受傷した部位に痛みや腫れが生じることがあります。

骨折の程度によっては、患部を動かしにくくなったり、外見上の変形がみられたりする場合もあります。(joa.or.jp)

ただし、打撲や脱臼などでも似た症状がみられることがあるため、症状だけで骨折と判断することはできません。

骨折が疑われる場合には、診察や画像検査などを行って確認します。

骨折の検査・診断

骨折が疑われる場合には、受傷した状況や痛みの部位などを確認し、X線検査などを行います。

多くの骨折ではX線検査が診断に用いられますが、骨折の部位や状態によってはCTなどの追加検査が行われることもあります。(joa.or.jp)

特に骨盤骨折などでは、骨折の位置や周囲の損傷を詳しく確認するためにCTが重要になる場合があります。(joa.or.jp)

骨折の治療方法

骨折の治療には、大きく分けて保存療法と手術療法があります。

骨折した部位や骨折の状態、ずれの程度などによって、治療方法が選択されます。(joa.or.jp)

保存療法

保存療法では、手術をせずに骨折部を安定させながら治療します。

代表的なものとして、

  • ギプス固定
  • 装具による固定
  • 三角巾による固定
  • 牽引

などがあります。

骨折の種類によっては、まず固定や牽引などを行い、その後に手術を行う場合もあります。

手術療法

骨折の状態によっては、手術によって骨折部を整復し、金属製のプレートやスクリュー、髄内釘などを用いて固定します。(joa.or.jp)

私が勤務していた病院は急性期病院だったため、骨折患者さんの手術が多く、ほぼ毎日のように手術が行われていました。

整形外科病棟での骨折患者さんの入院から退院まで

私が勤務していた病棟では、転倒などをきっかけに骨折し、緊急入院となる患者さんも多くいました。

そのため、入院した時点から手術を見据えた準備を行うこともありました。

入院時に確認していたこと

骨折による入院では、まず受傷状況や患者さんの全身状態を確認します。

また、普段から内服している薬についても確認していました。

特に、抗凝固薬や抗血小板薬など、出血に関係する薬を服用している場合には、手術を行ううえで重要な情報になります。

薬剤の休薬や変更については、患者さんの状態や薬剤の種類などによって対応が異なるため、医師の指示に沿って確認・対応します。

私が勤務していた病棟では、必要に応じて手術前の薬剤調整や点滴などの準備を行っていました。

手術後はリハビリテーションへ

手術後は、患者さんの状態を確認しながらリハビリテーションが開始されます。

骨折した部位や手術内容によって、荷重の開始時期やリハビリテーションの内容などは異なります。

そのため、医師や理学療法士などからの指示を確認しながら、離床や日常生活動作の援助を行っていました。

退院または転院

リハビリテーションの進み具合や患者さんの身体状況、家族の受け入れ状況などを確認しながら、退院や転院へと進みます。

自宅へ退院する患者さんもいれば、さらにリハビリテーションが必要な場合などには、回復期リハビリテーション病院などへ転院する患者さんもいました。

私が勤務していた病棟では、クリニカルパスを使用しているケースもありました。

入院期間は、骨折した部位や治療内容、患者さんの状態などによってさまざまです。

骨折患者さんの看護で確認していたこと

骨折患者さんの看護では、骨折した部位だけを見るのではなく、全身状態や日常生活への影響なども確認する必要があります。

患部の状態

痛みや腫れ、皮膚の状態などを確認します。

また、固定や手術を行っている場合には、その状態についても観察します。

末梢循環・神経症状

骨折や固定などによって、血流や神経に影響が出ることがあります。

そのため、患肢の皮膚色や冷感、しびれ、感覚、運動などを確認します。

疼痛

痛みの程度や痛みが出るタイミングなどを確認します。

鎮痛薬を使用している場合には、使用後の痛みの変化についても確認します。

ADLの状態

骨折によって、歩行や着替え、トイレ、入浴など、日常生活動作に影響が出ることがあります。

患者さんがどの程度自分でできるのかを確認し、必要な部分を援助していました。

超音波骨折治療とは?

整形外科病棟で勤務していたとき、超音波骨折治療を行う患者さんもいました。

超音波骨折治療は、骨折部に低出力の超音波を照射する治療です。

私が勤務していた病棟では、「アクセラス」という超音波骨折治療器を使用していました。

現在のアクセラスシリーズでも、低出力パルス超音波(LIPUS)による骨折治療に使用されており、アクセラス2では骨折部の深さなどに応じて30mW/cm²と60mW/cm²の2段階の出力設定があります。(sigmax-med.jp)

私が勤務していた病棟でのアクセラス

ここからは、私が勤務していた病棟で実際に行っていた方法について紹介します。

手術後、医師が骨折部位を確認してマーキングし、その位置にプローブを固定して使用していました。

プローブに治療用ゲルを塗り、決められた位置・方法で装着して治療を行います。

私が勤務していた頃は、1日1回、20分間の治療として行っていました。

アクセラス2についても、現在のメーカー案内では原則1日1回20分の使用とされています。実際の使用方法は、医師の指導や使用する機器の取扱説明書に従う必要があります。(sigmax-med.jp)

治療を忘れないための工夫

治療時間は患者さんによって決まっているわけではなかったため、私が勤務していた病棟では、忘れないように患者さんのスケジュールに合わせて予定を組み込んでいました。

入院中は、看護師が治療を行うだけではなく、患者さんが自分で使用できるようになることも大切です。

そのため、使用方法について説明する機会もありました。

治療中に確認していたこと

プローブが外れてしまうなどして、エラーが起きていることもありました。

そのため、治療中も必要に応じて機器の状態を確認していました。

また、アクセラス2では、プローブを当てる場所や角度が適切であることが重要とメーカーも案内しています。(sigmax-med.jp)

なお、出力設定については骨折部の深さなどに応じて選択されるため、「上肢なら30、下肢なら60」と一律に決められるものではありません。

実際に使用する場合は、医師の指示や機器の設定に従う必要があります。

退院後も超音波骨折治療を続ける患者さん

私が勤務していた病棟では、退院後も超音波骨折治療を続ける患者さんがいました。

その場合は、入院中から自宅での使用方法について説明します。

プローブを当てる場所や使用時間だけではなく、

  • 使用中にエラーが出た場合の対応
  • 機器を正しく装着する方法
  • 治療後の扱い
  • レンタル品の返却方法

などについても確認していました。

現在のアクセラス2でも、レンタル品についての案内があり、医師の指導に基づいて使用することが示されています。(sigmax-med.jp)

骨折患者さんの看護で大切だと感じたこと

骨折で入院する患者さんは、転倒などによって突然入院するケースも少なくありません。

特に高齢の患者さんでは、骨折する前は自宅で生活していたのに、骨折をきっかけに歩行や着替え、トイレなどが一人では難しくなることもあります。

そのため、骨折部位や手術後の状態だけではなく、**「退院したあとにどのような生活をするのか」**を考えながら関わることが大切だと感じていました。

また、入院前の生活状況や家族のサポート状況などを確認し、多職種で情報を共有することも重要です。

新人看護師が骨折患者さんを受け持つときのポイント

① 骨折部位と治療内容

まずは、どこを骨折しているのか、どのような治療を受けているのかを確認します。

手術を受けた患者さんであれば、手術内容や術後の指示についても確認します。

② 患肢の状態

痛みや腫れだけでなく、皮膚色、冷感、しびれ、感覚、運動などを確認します。

特に固定具を使用している患者さんでは、患肢の状態に変化がないか注意して観察します。

③ 離床・荷重の指示

骨折部位や手術内容によって、離床や荷重の制限が異なります。

「歩けそうだから歩いてもらう」のではなく、医師やリハビリテーションスタッフから出ている指示を確認することが大切です。

④ 疼痛とリハビリテーション

痛みの程度を確認しながら、リハビリテーションの進み具合を確認します。

患者さんによっては、痛みへの不安からリハビリテーションに消極的になることもあります。

痛みの訴えを聞きながら、必要に応じて医師やリハビリテーションスタッフと情報を共有します。

⑤ 退院後の生活

骨折の治療では、骨がつけば終わりというわけではありません。

退院後に自宅でどのような生活を送るのかを考え、歩行やトイレ、入浴などの日常生活動作についても確認します。

自宅での生活が難しい場合には、家族や多職種と相談しながら退院先を検討することもあります。

まとめ

骨折は、外力などによって骨の構造が壊れた状態で、ひびも骨折の一種です。

骨折する部位はさまざまで、治療方法も骨折の状態によって異なります。

治療には保存療法と手術療法があり、私が勤務していた急性期の整形外科病棟では、骨折による緊急入院から手術、リハビリテーション、退院・転院まで関わる機会が多くありました。

また、超音波骨折治療では、アクセラスを使用する患者さんもおり、入院中の治療だけではなく、退院後に自宅で治療を続けるための説明も行っていました。

私自身、整形外科病棟で多くの骨折患者さんを受け持つ中で、骨折そのものだけではなく、その人が骨折する前にどのような生活をしていたのか、そして退院後にどのような生活を送るのかを考えることが大切だと感じていました。

看護師・看護学生の方が、骨折について勉強するときの参考になれば嬉しいです。

医療・看護記事について

※本記事は、筆者が看護師として勤務していた際の経験や、当時使用していた勉強ノートなどをもとに、看護師・看護学生の学習の参考となるよう作成しています。

医療・看護に関する情報は、医学の進歩や新しい研究、ガイドラインの改訂などによって変更される場合があります。また、同じ疾患や検査結果であっても、患者さんの年齢、既往歴、症状、治療内容、全身状態などによって必要な対応は異なります。

そのため、本記事の内容は、診断・治療・薬剤の使用・看護ケアなどについて個別の判断や指示を行うものではありません。また、本記事の内容だけをもとに、実際の患者さんへの対応や看護上の判断を行うことは避けてください。

実際の看護を行う際には、所属する医療機関・施設の看護手順やマニュアル、医師・看護師・薬剤師などの医療従事者からの指示、使用する薬剤や医療機器の添付文書、最新のガイドラインや公的機関・学会などの情報を確認してください。

本記事の内容と、勤務先の手順や最新の医療情報が異なる場合は、勤務先の手順や最新の情報を優先してください。

なお、本記事では一般的な知識を扱っているため、読者の方が置かれている状況に応じた個別の医療上の判断や対応についてお答えするものではありません。体調や症状、検査結果などについて不安や疑問がある場合は、自己判断せず、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者にご相談ください。